幸田です。
過去公演を振り返る第三弾は「公演」というかなんというか、というこの4つ。
2020.5『わたし、病気なんです』(公演中止)
出演 山下大貴/唐島経祐/木村晴香/関口祐香/山中祐里/西田えりか/武藤康弘/宮﨑楓

まあ、コロナでね、中止になってしまったんですけど、一応、稽古もしていたし、チラシもまいていたのでとりあえず載せておきます。
うーん、タイトル好きだったし、「面白そうなテーマなので観に行きます!」という声も多数いただいていたんですけどね……
だったら、劇場公演がぽつぽつ再開されだしてから、すぐさま上演すればよかったじゃん、って感じですが、この出演者の半数はコロナ禍の中で演劇活動自体ができていないので。
もう一度やるとしたら、また今のメンバーに合わせて書き直してからかな、とも思います。僕は役者それぞれに当てて書くいわゆる「あて書き」なので、人が変わると全然違ったものになってしまうんですよね。
あ、ちなみに主演の予定だった山下君は現在YouTuberとして活動中で、タイにいます。
この間チャンネル登録が2000になったって配信してましたね。よければ観て、そしてチャンネル登録してあげてください。
木村晴香もYouTubeチャンネルやってますので、こちらもよければどうぞ。
コロナは日常を大きく変えてしまいましたよね。
コロナのせいで離れてしまったメンバーはもう戻ってくることはないかもしれません。演劇っていうのは一度離れちゃうとそのまま遠ざかってしまうというパターンが非常に多い。
まあ、それだけ生活に必要不可欠ではない、ということなのかもしれませんが(悲しい)
それでも僕はずっとここにいて、コツコツと芝居を作り続けようと思っています。
たとえ世界が変わっても俺は変わらないぜ、みたいな。あ、なんかちょっと恥ずかしいですね、こういうの(笑)
2020年はコロナで激震が走って、人生が大きく変わった人はたくさんいると思います。僕もそうなるんじゃないかと思っていたんですが、結局、なんだかんだ昨年も11月に『親がバカだから』を上演しているし、年の開けた2月には『題名のない演劇祭』でも上演しているし、あ、普通に芝居してるやん、という感じなんです。なので、大きく変わったけど変わってない。それは変えない、芝居で生きていくんだ、という意志があったからかもしれませんが。
まあ、そういうわけで、僕は創作意欲が枯れない限りは25年でも30年でも劇団を続けていくと思うので、メンバーもそうだし、お客さんも、離れていっても何年後かにふらっと戻ってきたら「あら、まだやってた。」みたいな感じになればいいな、と思っています。そしてまた関わってくれたら嬉しいですね。
2020.5『明日の同窓会』(オンライン)
出演 唐島経祐/山中祐里/山下大貴/関口祐香/木村晴香/西田えりか/武藤康弘/宮﨑楓/萩原あや

『わたし、病気なんです』が中止になってしまい、このまま何もしないのもなあ、ということで急遽Zoomで一作品作ることにしました。
まあ、バタバタ作ったのでアラが(笑)
タイトルがね、僕的にはあまり好きじゃない。あ、いや、タイトルそのものは悪くないなと思っているんですが、内容をうまいこと象徴していないんですよね。
いずれ書き直して、作り直したらいいかなと思っています。この時に比べたらZoomも使い慣れてるし、パソコンのスペックも上がってるし(笑)
そうなのです、この時持っていたパソコン(デスクトップ)があんまり性能よくないので、編集にも苦労しました。
Zoomで録画したものをAdobe Premiere proで編集しているんですが、タイトル入れるのもカクカクしやがって大変な難作業でした(笑)
この一年でパソコンとか配信とか周辺機器とか、随分詳しくなったものです。
そういう意味ではコロナさまさまというか、コロナがなければリモートで稽古することも動画編集することもなかったのかな、と思うといいきっかけにはなりました(いや、コロナは全然よくないですけど)
僕も初めて、メンバーももちろん初めてなので、短い期間で手探りながらなんとか形にした感じですね。
それでもチャレンジしてよかったと思います。
この時やっていたからこそ、オンラインコラボレーション演劇祭に迷いなく参加することができたし、僕個人のことで言えば、講師をしている九州ビジュアルアーツ俳優学科でもコロナ禍の中、Zoom演劇で公演やったりもしました。この経験がなかったら学生に対して何も発表の場を与えてやることもできずオロオロしていたのかな、と思うと、何事もチャレンジが大切だなと思います。
あと、作品の舞台が「海に近い駅」として有名な長崎県の千綿なのです。
単純に僕がここの駅がとても好きだという理由なだけで、長崎にゆかりがあるわけではありません。
なので、セリフが標準語だったりして、もっと方言を使えたりしたらよりよくなるのになあと思ったりもします。
そういう諸々も含めて、もっと煮詰めて完成度を上げたい作品です。
ラストシーンは好きなので、もっとそこが生きるように、いつかブラッシュアップしたいですね。
2020.5『家中の栗』(オンライン)
出演 萩原あや/山下大貴/唐島経祐
『明日の同窓会』がやってみたら大変だったけど楽しかったので、もう一本作りたいと思ってやりました。
2014年に上演した『家中の栗』という3話からなる連作短編があるんですが、それの1話をオンライン用に書き直して作りました。
『明日の同窓会』のすぐ後に作ったんですが、ちょっとこなれてる感じがします(笑)
やっぱり経験って大事。とにかく作って作って作り続けないと(僕は)上手くコツが掴めないので。
基本うちの芝居は会話しているだけなので、Zoom演劇とは親和性があるといえばあるんですよね。
これからもちょいちょいZoom演劇も作ってYouTubeで公開できたらな、と思っています。
2020.3『第6回ぶどうギャル』(オンライン)
出演 関口祐香/木村晴香/西田えりか/山中祐里
これ、コロナ禍になる前から計画していたものです。
うちの作品をより多くの人に知ってもらうためにどうしたらいいかな、あ、そうだ、YouTubeだ!と安直に考え、過去作品をアップロードするだけじゃなくて、YouTube用に新作作ったらいいんじゃない?と思い、じゃあ、とりあえずやってみるかと作ってみた作品です。
よそに書き下ろした『第6回ぶどうギャル』という短編があったんですが、それを HallBorthers版として手を入れ、上演?録画?しました。
うん、まあ……これは映像作品なのか?芝居なのか?とよくわからない感じですね(笑)まあ、ジャンルで言うと映像作品なんでしょう。その割にはリアルなカフェというわけではないので、なんとも中途半端というか(笑)自分で作っておきながらなんだ、って感じですけど、でも、この間久しぶりに見ていたら、「まあ、これはこれで悪くないんじゃないの?」という気がしました。
舞台作品を収録したもの、というジャンルになるんでしょうか。
それだったらもっとしっかりセットとか組んで、照明入れてやったりしてもいいのかな、とも思いました。
女4人がマウンティングとろうとして、でもそんなのって必要なくない?と気づく短編です。僕、人の会話を盗み聞くのが好きなので(笑)、女子4人の会話を盗み聞くような作品が作れたらとイメージしました。
これはこれで、また今度やってみてもいいかなとも思います。
過去公演を振り返る第三弾は「公演」というかなんというか、というこの4つ。
2020.5『わたし、病気なんです』(公演中止)
出演 山下大貴/唐島経祐/木村晴香/関口祐香/山中祐里/西田えりか/武藤康弘/宮﨑楓

まあ、コロナでね、中止になってしまったんですけど、一応、稽古もしていたし、チラシもまいていたのでとりあえず載せておきます。
うーん、タイトル好きだったし、「面白そうなテーマなので観に行きます!」という声も多数いただいていたんですけどね……
だったら、劇場公演がぽつぽつ再開されだしてから、すぐさま上演すればよかったじゃん、って感じですが、この出演者の半数はコロナ禍の中で演劇活動自体ができていないので。
もう一度やるとしたら、また今のメンバーに合わせて書き直してからかな、とも思います。僕は役者それぞれに当てて書くいわゆる「あて書き」なので、人が変わると全然違ったものになってしまうんですよね。
あ、ちなみに主演の予定だった山下君は現在YouTuberとして活動中で、タイにいます。
この間チャンネル登録が2000になったって配信してましたね。よければ観て、そしてチャンネル登録してあげてください。
木村晴香もYouTubeチャンネルやってますので、こちらもよければどうぞ。
コロナは日常を大きく変えてしまいましたよね。
コロナのせいで離れてしまったメンバーはもう戻ってくることはないかもしれません。演劇っていうのは一度離れちゃうとそのまま遠ざかってしまうというパターンが非常に多い。
まあ、それだけ生活に必要不可欠ではない、ということなのかもしれませんが(悲しい)
それでも僕はずっとここにいて、コツコツと芝居を作り続けようと思っています。
たとえ世界が変わっても俺は変わらないぜ、みたいな。あ、なんかちょっと恥ずかしいですね、こういうの(笑)
2020年はコロナで激震が走って、人生が大きく変わった人はたくさんいると思います。僕もそうなるんじゃないかと思っていたんですが、結局、なんだかんだ昨年も11月に『親がバカだから』を上演しているし、年の開けた2月には『題名のない演劇祭』でも上演しているし、あ、普通に芝居してるやん、という感じなんです。なので、大きく変わったけど変わってない。それは変えない、芝居で生きていくんだ、という意志があったからかもしれませんが。
まあ、そういうわけで、僕は創作意欲が枯れない限りは25年でも30年でも劇団を続けていくと思うので、メンバーもそうだし、お客さんも、離れていっても何年後かにふらっと戻ってきたら「あら、まだやってた。」みたいな感じになればいいな、と思っています。そしてまた関わってくれたら嬉しいですね。
2020.5『明日の同窓会』(オンライン)
出演 唐島経祐/山中祐里/山下大貴/関口祐香/木村晴香/西田えりか/武藤康弘/宮﨑楓/萩原あや

『わたし、病気なんです』が中止になってしまい、このまま何もしないのもなあ、ということで急遽Zoomで一作品作ることにしました。
まあ、バタバタ作ったのでアラが(笑)
タイトルがね、僕的にはあまり好きじゃない。あ、いや、タイトルそのものは悪くないなと思っているんですが、内容をうまいこと象徴していないんですよね。
いずれ書き直して、作り直したらいいかなと思っています。この時に比べたらZoomも使い慣れてるし、パソコンのスペックも上がってるし(笑)
そうなのです、この時持っていたパソコン(デスクトップ)があんまり性能よくないので、編集にも苦労しました。
Zoomで録画したものをAdobe Premiere proで編集しているんですが、タイトル入れるのもカクカクしやがって大変な難作業でした(笑)
この一年でパソコンとか配信とか周辺機器とか、随分詳しくなったものです。
そういう意味ではコロナさまさまというか、コロナがなければリモートで稽古することも動画編集することもなかったのかな、と思うといいきっかけにはなりました(いや、コロナは全然よくないですけど)
僕も初めて、メンバーももちろん初めてなので、短い期間で手探りながらなんとか形にした感じですね。
それでもチャレンジしてよかったと思います。
この時やっていたからこそ、オンラインコラボレーション演劇祭に迷いなく参加することができたし、僕個人のことで言えば、講師をしている九州ビジュアルアーツ俳優学科でもコロナ禍の中、Zoom演劇で公演やったりもしました。この経験がなかったら学生に対して何も発表の場を与えてやることもできずオロオロしていたのかな、と思うと、何事もチャレンジが大切だなと思います。
あと、作品の舞台が「海に近い駅」として有名な長崎県の千綿なのです。
単純に僕がここの駅がとても好きだという理由なだけで、長崎にゆかりがあるわけではありません。
なので、セリフが標準語だったりして、もっと方言を使えたりしたらよりよくなるのになあと思ったりもします。
そういう諸々も含めて、もっと煮詰めて完成度を上げたい作品です。
ラストシーンは好きなので、もっとそこが生きるように、いつかブラッシュアップしたいですね。
2020.5『家中の栗』(オンライン)
出演 萩原あや/山下大貴/唐島経祐
『明日の同窓会』がやってみたら大変だったけど楽しかったので、もう一本作りたいと思ってやりました。
2014年に上演した『家中の栗』という3話からなる連作短編があるんですが、それの1話をオンライン用に書き直して作りました。
『明日の同窓会』のすぐ後に作ったんですが、ちょっとこなれてる感じがします(笑)
やっぱり経験って大事。とにかく作って作って作り続けないと(僕は)上手くコツが掴めないので。
基本うちの芝居は会話しているだけなので、Zoom演劇とは親和性があるといえばあるんですよね。
これからもちょいちょいZoom演劇も作ってYouTubeで公開できたらな、と思っています。
2020.3『第6回ぶどうギャル』(オンライン)
出演 関口祐香/木村晴香/西田えりか/山中祐里
これ、コロナ禍になる前から計画していたものです。
うちの作品をより多くの人に知ってもらうためにどうしたらいいかな、あ、そうだ、YouTubeだ!と安直に考え、過去作品をアップロードするだけじゃなくて、YouTube用に新作作ったらいいんじゃない?と思い、じゃあ、とりあえずやってみるかと作ってみた作品です。
よそに書き下ろした『第6回ぶどうギャル』という短編があったんですが、それを HallBorthers版として手を入れ、上演?録画?しました。
うん、まあ……これは映像作品なのか?芝居なのか?とよくわからない感じですね(笑)まあ、ジャンルで言うと映像作品なんでしょう。その割にはリアルなカフェというわけではないので、なんとも中途半端というか(笑)自分で作っておきながらなんだ、って感じですけど、でも、この間久しぶりに見ていたら、「まあ、これはこれで悪くないんじゃないの?」という気がしました。
舞台作品を収録したもの、というジャンルになるんでしょうか。
それだったらもっとしっかりセットとか組んで、照明入れてやったりしてもいいのかな、とも思いました。
女4人がマウンティングとろうとして、でもそんなのって必要なくない?と気づく短編です。僕、人の会話を盗み聞くのが好きなので(笑)、女子4人の会話を盗み聞くような作品が作れたらとイメージしました。
これはこれで、また今度やってみてもいいかなとも思います。
幸田です。
過去公演を振り返る第二弾はこちら
2021.11『親がバカだから』@福岡市科学館サイエンスホール
出演 山中祐里/萩原あや/唐島経祐/宮﨑楓



楓ちゃんのHB初舞台です。
正確には5月のZoom演劇『明日の同窓会』が初舞台ですが、リモートなので。
板に上がって、お客さんの前に出て、というのはこれが初になります。
この公演をやる前に『題名のない演劇祭』の話はいただいていて。
で、出演メンバーもこの4人に決まっていました。
となると、楓ちゃんが福岡・北九州の名だたる劇団が参加する『題名のない〜』が初舞台になってしまうので、その前に一度舞台を踏ませておきたいと思ったのがこの公演をやろうと思った理由の一つです。
あとは「舞台のライブ配信」というものにチャレンジしてみたかったというのもあります。
それから、やっぱりお客さんの前で芝居がしたい、というのが一番ですね。
そういうわけで、バタバタと企画して公演することにしました。確か10月になって稽古はじめて、11月の中旬に本番、という感じだったかな、という気がします。
いつもはもっと長いスパンでやるんですが、とりあえずやろうと。
これ、タイトルがよくないですか?『親がバカだから』
刺激的だし、象徴的だし、心の奥底でもやっとしてることを表現していたりしません?
いつも上に挙げた三点を意識してタイトルを考えています。
僕は日常をベースにした会話劇で、市井の人々を描く、ということをテーマに創作しているので、世の中の多くの人が心の奥底に抱えている言葉にならないものを言葉にしたいと思っています。
そのあたりを上手くすくい取れたタイトルなんじゃないでしょうか。
過去、劇団で50本近く書いてきて、自分の中で満足いくタイトルはいくつかしかないんですね。
『あの人、賃貸だから』
『わたし、3階です』
そして『親がバカだから』
このあたりがお気にいりですね。今のHBを象徴しているタイトルです。
あと『わたし、病気なんです』も好きなんですが、残念ながらこれは中止になってしまいました。コロナのせいですね。
作品の内容としては「親がバカだから私の人生がダメなんだ」と思っている女性が、「それらも含めて全部が自分、自分の人生か」と肯定していくお話です。
そういえば、僕、毛深いんですが、中学生の時に毛深い自分がイヤでイヤでしょうがなくて
「お父さんが毛深いから僕もこんな風になってしまったんだ!」
と怒りをぶつけたことがあります(笑)
そんなこと言われて父も困ったでしょうね。
僕自身が父となった今、娘から同じように怒りをぶつけられても困惑するだけだと思います。「いや、んなこと言われたってお父さんだって好んで毛深くなったわけじゃないし」みたいな(笑)
まあ、生きるってどうしようもないことの連続じゃないですか。
毛深いのもそうだし、僕、もっと身長も高くなりたかったんですが、165センチで止まってしまいましたしね。高校生の時の人生プランは高3で180センチになってメンズノンノのモデルに応募して(男性モデルは175センチ以上必要なのです)、その後役者としてデビューというものだったんですが、全く叶いませんでした。『背がグングン伸びる本』を買って、よくわからない体操を毎日やったりして努力もしたんですが一向に伸びなかったですね。その時、世の中には努力したってどうにもならないことがある、と悟りました(笑)
でも、だからといって、今現在不幸かというとそんなことはありません。
自分の思い通りにならなくて苦しんだ時期もありましたが、「まあ、しょうがない」と苦虫を噛み潰しながら「それも自分だ」と割り切ってきて、ようやく人生を肯定できるようになりました。
そして人生を肯定できるようになると、途端に幸せになるんですよね。そりゃそうです。「ダメだダメだ」と思っていてもちっとも面白いわけがない。「まあ、しょうがない、これも自分だ」と思った方が視野も広がるし、そうするとささやかだけれど幸せなことがたくさん発見できるようになります。
そういう諸々のことを親と子の関係を通して描きたかったのかな、という作品です。
少人数で60分以内というコンパクトな作りなので、よその土地にも持って行きやすいし、いずれ他県なんかでもやりたいですね。
あと、この作品を上演したサイエンスホールがとにかくキレイで小屋付きさんも親切で使いやすく、なんといっても下にスタバがあるようなおしゃれスポットで気分がいい(笑)
ぜひまた使いたいホールです。
初めてのライブ配信は初日にややトラブったものの、なんとかやれました。
Atem mini proというスイッチャーをレンタルし、カメラ4台をスイッチングしながらの配信。
初めてのことで戸惑いましたが、コロナがおさまってもライブ配信は続けていきたいと思うので、これから精度も上げていきたいと思います。
過去公演を振り返る第二弾はこちら
2021.11『親がバカだから』@福岡市科学館サイエンスホール
出演 山中祐里/萩原あや/唐島経祐/宮﨑楓



楓ちゃんのHB初舞台です。
正確には5月のZoom演劇『明日の同窓会』が初舞台ですが、リモートなので。
板に上がって、お客さんの前に出て、というのはこれが初になります。
この公演をやる前に『題名のない演劇祭』の話はいただいていて。
で、出演メンバーもこの4人に決まっていました。
となると、楓ちゃんが福岡・北九州の名だたる劇団が参加する『題名のない〜』が初舞台になってしまうので、その前に一度舞台を踏ませておきたいと思ったのがこの公演をやろうと思った理由の一つです。
あとは「舞台のライブ配信」というものにチャレンジしてみたかったというのもあります。
それから、やっぱりお客さんの前で芝居がしたい、というのが一番ですね。
そういうわけで、バタバタと企画して公演することにしました。確か10月になって稽古はじめて、11月の中旬に本番、という感じだったかな、という気がします。
いつもはもっと長いスパンでやるんですが、とりあえずやろうと。
これ、タイトルがよくないですか?『親がバカだから』
刺激的だし、象徴的だし、心の奥底でもやっとしてることを表現していたりしません?
いつも上に挙げた三点を意識してタイトルを考えています。
僕は日常をベースにした会話劇で、市井の人々を描く、ということをテーマに創作しているので、世の中の多くの人が心の奥底に抱えている言葉にならないものを言葉にしたいと思っています。
そのあたりを上手くすくい取れたタイトルなんじゃないでしょうか。
過去、劇団で50本近く書いてきて、自分の中で満足いくタイトルはいくつかしかないんですね。
『あの人、賃貸だから』
『わたし、3階です』
そして『親がバカだから』
このあたりがお気にいりですね。今のHBを象徴しているタイトルです。
あと『わたし、病気なんです』も好きなんですが、残念ながらこれは中止になってしまいました。コロナのせいですね。
作品の内容としては「親がバカだから私の人生がダメなんだ」と思っている女性が、「それらも含めて全部が自分、自分の人生か」と肯定していくお話です。
そういえば、僕、毛深いんですが、中学生の時に毛深い自分がイヤでイヤでしょうがなくて
「お父さんが毛深いから僕もこんな風になってしまったんだ!」
と怒りをぶつけたことがあります(笑)
そんなこと言われて父も困ったでしょうね。
僕自身が父となった今、娘から同じように怒りをぶつけられても困惑するだけだと思います。「いや、んなこと言われたってお父さんだって好んで毛深くなったわけじゃないし」みたいな(笑)
まあ、生きるってどうしようもないことの連続じゃないですか。
毛深いのもそうだし、僕、もっと身長も高くなりたかったんですが、165センチで止まってしまいましたしね。高校生の時の人生プランは高3で180センチになってメンズノンノのモデルに応募して(男性モデルは175センチ以上必要なのです)、その後役者としてデビューというものだったんですが、全く叶いませんでした。『背がグングン伸びる本』を買って、よくわからない体操を毎日やったりして努力もしたんですが一向に伸びなかったですね。その時、世の中には努力したってどうにもならないことがある、と悟りました(笑)
でも、だからといって、今現在不幸かというとそんなことはありません。
自分の思い通りにならなくて苦しんだ時期もありましたが、「まあ、しょうがない」と苦虫を噛み潰しながら「それも自分だ」と割り切ってきて、ようやく人生を肯定できるようになりました。
そして人生を肯定できるようになると、途端に幸せになるんですよね。そりゃそうです。「ダメだダメだ」と思っていてもちっとも面白いわけがない。「まあ、しょうがない、これも自分だ」と思った方が視野も広がるし、そうするとささやかだけれど幸せなことがたくさん発見できるようになります。
そういう諸々のことを親と子の関係を通して描きたかったのかな、という作品です。
少人数で60分以内というコンパクトな作りなので、よその土地にも持って行きやすいし、いずれ他県なんかでもやりたいですね。
あと、この作品を上演したサイエンスホールがとにかくキレイで小屋付きさんも親切で使いやすく、なんといっても下にスタバがあるようなおしゃれスポットで気分がいい(笑)
ぜひまた使いたいホールです。
初めてのライブ配信は初日にややトラブったものの、なんとかやれました。
Atem mini proというスイッチャーをレンタルし、カメラ4台をスイッチングしながらの配信。
初めてのことで戸惑いましたが、コロナがおさまってもライブ配信は続けていきたいと思うので、これから精度も上げていきたいと思います。
幸田です。
出演者紹介二巡目第八弾はこの人。

劇団HBの大御所です。
大御所という言い方も本人嫌がるかもしれませんが(笑)
劇団初期からいる唯一のメンバーです。
それでは聞いていきましょう。
■お名前、年齢、出身教えてください。
→萩原あや、44歳、福岡県福津市出身です。
旗揚げ、正確に言えば第二回公演からですけど、最初期から関わっているメンバーは私だけかな、と思います。
私の次に古いのがキョロで、それでも2012年からかな?
■HBの生き字引みたいな感じですね(笑)なぜHBに入ろうと思ったのか改めて教えてもらえますか?
→今となっては姉のダンナになった人なんですけど(笑)、大学で知り合った友人が福岡大学付属大濠高校演劇部出身で「劇団探してるなら紹介するよ」と言われて、同じ福岡大学付属大濠高校演劇部の出身だった幸田サンの劇団に見学に来たから、です。
■見学に来た時の印象はどうでしたか?
→私が知ってた演劇の人たちは年上の人たちばっかりだから、単純に同年代が新鮮でした。やってる内容がそれまでに自分が触れたことのないようなテンション勢い押しみたいな、確か当時幸田サンは「惑星ピスタチオみたいなことをやりたい」とか言ってたかな。それで、「自分がやりたいこと、目指すところとは違うな」と思ってここはないなと思いました(笑)
■ここはないなと思ったのに、なぜ入ったんですか?
→手伝ってと言われたから。求められたら断りきれない性格なので(笑)だから、最初に関わって第二回公演『たまねぎのしん』は音響オペでした。そしたら一回手伝ったあと、メンバーがごろっといなくなって。実は『たまねぎのしん』に出演してたのは客演ばっかりだったんですよね。劇団員として残ったのは4人くらいだったかな?よく覚えてないけど。
■えー、当時誰がいったっけな……確かに、4,5人だった気はするね。
→で、第三回公演『少女はベッドで旅をする』をやるからと言われて、え?もしかしてあたし劇団員にカウントされてる?って(笑)そのままなんとなく出演することになってしまった、と(笑)
■それから20数年いるわけですが、辞めたいと思ったことは?
→何回もあります。最初の頃は毎公演思ってた(笑)
■それはなぜですか?
→不器用で上手くいかない、下手くそだったから。
■実際に出演してみたらピスタチオみたいな芝居だった?(笑)
→最初に出演した『少女はベッドで旅をする』は全然そんなことないけど、次の第四回公演『天井裏から愛を込めて』はそれっぽいこともやってたかな(笑)とにかく力押し!みたいな。
■やってみて力押しの魅力は感じましたか?(笑)
→当時は自意識が邪魔してなかなか弾けることはできなかったけど……うまくノッた時の高揚感は他には味わえない感覚で、それは楽しかったのかな。もう20年前の話ですけど。
■20年経って地味な会話劇という180度逆みたいな芝居になりましたけど、どうですか?
→びっくりよ(笑)あの頃に言われ続けた「テンション上げろ!」とか「気合いが足らん!」とか、あれはなんだったんだって感じですけど(笑)まあ、あの頃があって今があるのかな。「お前は入り込む力が足りない」とか当時の演出から言われ続けていました。現在もやってる人ですけど(笑)
■すいません(笑)「入り込む力」ってなんだよって感じですね(笑)
→今の子は怒られなくていいな、とかって思います(笑)あたしは言われやすいタイプだったのかいつも怒られてましたね。(笑)まあ、生意気なところもあったけど。「できないなら帰れ!」と言われて「じゃあ帰ります」みたいなこともあったし(笑)
■それはなんか覚えてるなあ。「帰ります」って言われて「えっ……」ってなったもん(笑)今思うと、そういう演出の仕方はよくないね。何も生まない。若かりし頃の自分を叱りたい。
さて、次の質問ですが。稽古が始まって一ヶ月ちょっと、対面での稽古も回数を重ねてきて、どんな感じですか?
→やっぱり対面の稽古は楽しいな、って。これぞ、演劇をしてる感じする。その場でお互いを感じて作っていくっていのがね、やっぱり。まあ、リモート稽古で会話になれてる部分もあるからすんなりできるのもあると思うので、今の稽古スタイルは理にかなっているというか、最初台本が上がってきた時には読むことが大事で、身体に落ちてから対面稽古というのはいいと思います。稽古回数少ない中で効率よくやれてるような気がする。
■今の子の気合いはどうですか?(笑)
→気合いね……(笑)まず、稽古場の雰囲気から全然違う。昔は緊張感というか、稽古場は神聖な場みたいなイメージがあったけど、今はゆるいから(笑)当時の私からしたら「いやいやないやろ」と思うけど、今はそれが当たり前というのがあって。その中で楽しんでいるメンバーもいるし、いい具合で変化してきたんだろうな、と。当時の気合いはないんだろうけど(笑)、違う意味での稽古に向かう姿勢というか、ゆるい中でも芝居はしっかり、誠実にやろうとしていて、今はちょうどいい塩梅を見つけられている感じがするかな。
■あの時に戻りたいとか思いますか?
→うーん……(笑)今の自分があの時に戻ったらもっと上手くやれるとは思うけど、極端な時期だったので、おもしろエピソードはあるけど、あんまり戻りたくはないかな(笑)毎公演辞めたかったし。
■では、現在の話に戻りますけど、作品も少しずつ形になってきて、その中で何か思うところはありますか?
→うちの作品をよく見てくれる人はわかると思うけど、幸田作品っていつも同じことを言っていて(笑)でも、今回は少し違うテイストがあって、それは新しく来たメンバーのおかげ。違う切り口、テイストがあって、これは長年うちを見てくれている人は気づくかな。今回の話の元になっている『65%悲劇』や『かなしいしあわせ』は「戻ってくる姉」という役は私がやっていて、でも、その時とは姉の描かれ方も違うかな。時代の移り変わりもあるし、やっぱり手書きなのでメンバーなのかな。今回は姉と対象的な妹、そして私演じる母親も出てくるし、やっぱり幸田サンの視点が増えたのかな、という気がする。
■最後に、本番が近づいてきていますが、改めて意気込みを。
→対面稽古は楽しくてあっという間に時間過ぎちゃいます。朝から夕方までなので疲れるんだけど、ホント楽しい。それがお客さんに伝わるようにもしたいと思うし、新たなメンバーたちにものびのび楽しんでもらいたいと思います!
さて、『まっすぐ目を見て話してください』本番まで一ヶ月となりました。
チケットご予約、まだまだまだまだ受け付けていますので、ぜひ、劇場で、配信で御覧ください!
お待ちしています!
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出演者紹介二巡目第八弾はこの人。

劇団HBの大御所です。
大御所という言い方も本人嫌がるかもしれませんが(笑)
劇団初期からいる唯一のメンバーです。
それでは聞いていきましょう。
■お名前、年齢、出身教えてください。
→萩原あや、44歳、福岡県福津市出身です。
旗揚げ、正確に言えば第二回公演からですけど、最初期から関わっているメンバーは私だけかな、と思います。
私の次に古いのがキョロで、それでも2012年からかな?
■HBの生き字引みたいな感じですね(笑)なぜHBに入ろうと思ったのか改めて教えてもらえますか?
→今となっては姉のダンナになった人なんですけど(笑)、大学で知り合った友人が福岡大学付属大濠高校演劇部出身で「劇団探してるなら紹介するよ」と言われて、同じ福岡大学付属大濠高校演劇部の出身だった幸田サンの劇団に見学に来たから、です。
■見学に来た時の印象はどうでしたか?
→私が知ってた演劇の人たちは年上の人たちばっかりだから、単純に同年代が新鮮でした。やってる内容がそれまでに自分が触れたことのないようなテンション勢い押しみたいな、確か当時幸田サンは「惑星ピスタチオみたいなことをやりたい」とか言ってたかな。それで、「自分がやりたいこと、目指すところとは違うな」と思ってここはないなと思いました(笑)
■ここはないなと思ったのに、なぜ入ったんですか?
→手伝ってと言われたから。求められたら断りきれない性格なので(笑)だから、最初に関わって第二回公演『たまねぎのしん』は音響オペでした。そしたら一回手伝ったあと、メンバーがごろっといなくなって。実は『たまねぎのしん』に出演してたのは客演ばっかりだったんですよね。劇団員として残ったのは4人くらいだったかな?よく覚えてないけど。
■えー、当時誰がいったっけな……確かに、4,5人だった気はするね。
→で、第三回公演『少女はベッドで旅をする』をやるからと言われて、え?もしかしてあたし劇団員にカウントされてる?って(笑)そのままなんとなく出演することになってしまった、と(笑)
■それから20数年いるわけですが、辞めたいと思ったことは?
→何回もあります。最初の頃は毎公演思ってた(笑)
■それはなぜですか?
→不器用で上手くいかない、下手くそだったから。
■実際に出演してみたらピスタチオみたいな芝居だった?(笑)
→最初に出演した『少女はベッドで旅をする』は全然そんなことないけど、次の第四回公演『天井裏から愛を込めて』はそれっぽいこともやってたかな(笑)とにかく力押し!みたいな。
■やってみて力押しの魅力は感じましたか?(笑)
→当時は自意識が邪魔してなかなか弾けることはできなかったけど……うまくノッた時の高揚感は他には味わえない感覚で、それは楽しかったのかな。もう20年前の話ですけど。
■20年経って地味な会話劇という180度逆みたいな芝居になりましたけど、どうですか?
→びっくりよ(笑)あの頃に言われ続けた「テンション上げろ!」とか「気合いが足らん!」とか、あれはなんだったんだって感じですけど(笑)まあ、あの頃があって今があるのかな。「お前は入り込む力が足りない」とか当時の演出から言われ続けていました。現在もやってる人ですけど(笑)
■すいません(笑)「入り込む力」ってなんだよって感じですね(笑)
→今の子は怒られなくていいな、とかって思います(笑)あたしは言われやすいタイプだったのかいつも怒られてましたね。(笑)まあ、生意気なところもあったけど。「できないなら帰れ!」と言われて「じゃあ帰ります」みたいなこともあったし(笑)
■それはなんか覚えてるなあ。「帰ります」って言われて「えっ……」ってなったもん(笑)今思うと、そういう演出の仕方はよくないね。何も生まない。若かりし頃の自分を叱りたい。
さて、次の質問ですが。稽古が始まって一ヶ月ちょっと、対面での稽古も回数を重ねてきて、どんな感じですか?
→やっぱり対面の稽古は楽しいな、って。これぞ、演劇をしてる感じする。その場でお互いを感じて作っていくっていのがね、やっぱり。まあ、リモート稽古で会話になれてる部分もあるからすんなりできるのもあると思うので、今の稽古スタイルは理にかなっているというか、最初台本が上がってきた時には読むことが大事で、身体に落ちてから対面稽古というのはいいと思います。稽古回数少ない中で効率よくやれてるような気がする。
■今の子の気合いはどうですか?(笑)
→気合いね……(笑)まず、稽古場の雰囲気から全然違う。昔は緊張感というか、稽古場は神聖な場みたいなイメージがあったけど、今はゆるいから(笑)当時の私からしたら「いやいやないやろ」と思うけど、今はそれが当たり前というのがあって。その中で楽しんでいるメンバーもいるし、いい具合で変化してきたんだろうな、と。当時の気合いはないんだろうけど(笑)、違う意味での稽古に向かう姿勢というか、ゆるい中でも芝居はしっかり、誠実にやろうとしていて、今はちょうどいい塩梅を見つけられている感じがするかな。
■あの時に戻りたいとか思いますか?
→うーん……(笑)今の自分があの時に戻ったらもっと上手くやれるとは思うけど、極端な時期だったので、おもしろエピソードはあるけど、あんまり戻りたくはないかな(笑)毎公演辞めたかったし。
■では、現在の話に戻りますけど、作品も少しずつ形になってきて、その中で何か思うところはありますか?
→うちの作品をよく見てくれる人はわかると思うけど、幸田作品っていつも同じことを言っていて(笑)でも、今回は少し違うテイストがあって、それは新しく来たメンバーのおかげ。違う切り口、テイストがあって、これは長年うちを見てくれている人は気づくかな。今回の話の元になっている『65%悲劇』や『かなしいしあわせ』は「戻ってくる姉」という役は私がやっていて、でも、その時とは姉の描かれ方も違うかな。時代の移り変わりもあるし、やっぱり手書きなのでメンバーなのかな。今回は姉と対象的な妹、そして私演じる母親も出てくるし、やっぱり幸田サンの視点が増えたのかな、という気がする。
■最後に、本番が近づいてきていますが、改めて意気込みを。
→対面稽古は楽しくてあっという間に時間過ぎちゃいます。朝から夕方までなので疲れるんだけど、ホント楽しい。それがお客さんに伝わるようにもしたいと思うし、新たなメンバーたちにものびのび楽しんでもらいたいと思います!
さて、『まっすぐ目を見て話してください』本番まで一ヶ月となりました。
チケットご予約、まだまだまだまだ受け付けていますので、ぜひ、劇場で、配信で御覧ください!
お待ちしています!
»チケットのご予約はこちら«
幸田です。
出演者紹介も二巡し、稽古日記でも書こうと思いつつ……
リモート稽古って、書くことないんですよね……
稽古写真もZoomのスクリーンショットばかりで、基本動きがない。
今は平日リモート、土曜日が朝から夕方まで対面稽古という形でやっていますが、そう毎日更新できるほど稽古のネタがないというか。
もちろん、着実に積み上がってはいますが、なんというか、稽古場日記という形でお届けするほどの派手さがないのです。
しかし、なるべく毎日更新したいということで……
『過去公演を振り返る』
なんてことをやってみようと思います。
お知らせしている通り、今回新メンバーがたくさん増えたので、彼らも以前のことは知らないだろうし、改めてこれをご覧の皆様にもHBがどんな公演をやってきたかをお知らせしていくのもいいんじゃないかと思いました。
というわけで、直近の公演からだんだんと振り返っていこうかと思います。
一番近い公演はこちら

2021.2『題名のない演劇祭』@JR九州ホール
出演 萩原あや/山中祐里/唐島経祐/宮﨑楓

飛ぶ劇場、14+、万能グローブガラパゴスダイナモス、非・売れ線系ビーナス、劇団言霊、そしてHBと福岡・北九州の劇団が集った演劇祭です。
演劇祭のコンセプトはタイトル通り「タイトルなし。お客様の投票で決める」というもの。
そしてうちの作品は投票の結果『8割』というものになりました。
タイトルを投票で決めるというのも初めての経験だったし、JR九州ホールも初めてということで、新鮮な演劇祭でした。
惜しむらくは僕自身が別現場とかぶっていて、演劇祭当日に立ち会えなかったこと。
せっかく福岡・北九州の名だたる劇団が出場しているのに、劇場で観ることができませんでした(配信では観ました)
さて、我々HBはどんな作品をやったかというと、介護をテーマにした会話劇。
スーパーのバックヤードを舞台に、親の介護のために職を辞さなければいけない女性と突然の親の介護に巻き込まれた女性、二人の変遷を描いた作品です。
劇中、介護施設に就職した元アルバイトが
「あたし、気づいたんですけど、世の中の8割はクソみたいなやつですよ」
というセリフがあって、おそらくそこから『8割』というタイトルがいいと投票してくれたようです。
介護施設で働いている彼女は老人たちの自分本位で自分勝手な振る舞い、そしてその家族も同じように自分たちのことしか考えていない姿に辟易し、このセリフを吐きます。
そして図らずも介護に直面した二人の女性たちも、同じように苦しみ、疲れていきます。
が、そのクソみたいな姿も「それも人間か」と受け入れていくようになるまでのお話です。
『タイトルはお客様が決める』
というコンセプトなので、スタッフさんに提出する台本にもタイトルは記載されていませんが、実は僕の中ではタイトルを決めていました。まあ、そうじゃないと僕は書けないタイプなので。タイトルってその作品を象徴するものですし、それがないというのは道標がないようなもので、どこに進んでいけばいいのかわからなくなるのです。
で、僕の中で決めていたタイトルは『それも、人間』
よいところも悪いところも、全て含めて人間。
「このヤロウ」と腹がたった時にも
「まあ、それも人間か」
と心の中でつぶやくと許せたりするものです(どうしても許せない時もありますが)
人間ってそんなに完璧なものじゃないですからね。
ただ、ネット社会の今、何か問題が起こった時にすぐ炎上して、その時の他者に求める姿があまりにも完璧なものすぎるんじゃないかと思うことがあります。いやいや、みんなそんなに完璧じゃないだろうと。
間違っていることを間違っていると指摘することは大切なことですが、あまりにも正しいことばかり求めすぎると窮屈な社会になりはしないかと思うし、自分の首を締めることにもなるのではないかと思ったりもします。
このあたり難しいバランスだと思いますが、まあ、「それも人間」というおおらかな気持ちも大切なのではないかなと思ってこの作品を書きました。
40分ぐらいの短い作品ですし、またいつか再演したいなと思っています。
出演者紹介も二巡し、稽古日記でも書こうと思いつつ……
リモート稽古って、書くことないんですよね……
稽古写真もZoomのスクリーンショットばかりで、基本動きがない。
今は平日リモート、土曜日が朝から夕方まで対面稽古という形でやっていますが、そう毎日更新できるほど稽古のネタがないというか。
もちろん、着実に積み上がってはいますが、なんというか、稽古場日記という形でお届けするほどの派手さがないのです。
しかし、なるべく毎日更新したいということで……
『過去公演を振り返る』
なんてことをやってみようと思います。
お知らせしている通り、今回新メンバーがたくさん増えたので、彼らも以前のことは知らないだろうし、改めてこれをご覧の皆様にもHBがどんな公演をやってきたかをお知らせしていくのもいいんじゃないかと思いました。
というわけで、直近の公演からだんだんと振り返っていこうかと思います。
一番近い公演はこちら

2021.2『題名のない演劇祭』@JR九州ホール
出演 萩原あや/山中祐里/唐島経祐/宮﨑楓

飛ぶ劇場、14+、万能グローブガラパゴスダイナモス、非・売れ線系ビーナス、劇団言霊、そしてHBと福岡・北九州の劇団が集った演劇祭です。
演劇祭のコンセプトはタイトル通り「タイトルなし。お客様の投票で決める」というもの。
そしてうちの作品は投票の結果『8割』というものになりました。
HallBrotherのタイトルは「8割」に決まりました。投票、ご観劇、ご視聴いただいた皆さま、ありがとうございました!
— 劇団HallBrothers (@gHallBros) February 28, 2021
次回本公演は夏〜秋頃を予定しています。
その頃には、コロナが落ち着き普通に観劇できる世の中になっていて欲しいものですね。 https://t.co/UPdK8ve0Yl
タイトルを投票で決めるというのも初めての経験だったし、JR九州ホールも初めてということで、新鮮な演劇祭でした。
惜しむらくは僕自身が別現場とかぶっていて、演劇祭当日に立ち会えなかったこと。
せっかく福岡・北九州の名だたる劇団が出場しているのに、劇場で観ることができませんでした(配信では観ました)
さて、我々HBはどんな作品をやったかというと、介護をテーマにした会話劇。
スーパーのバックヤードを舞台に、親の介護のために職を辞さなければいけない女性と突然の親の介護に巻き込まれた女性、二人の変遷を描いた作品です。
劇中、介護施設に就職した元アルバイトが
「あたし、気づいたんですけど、世の中の8割はクソみたいなやつですよ」
というセリフがあって、おそらくそこから『8割』というタイトルがいいと投票してくれたようです。
介護施設で働いている彼女は老人たちの自分本位で自分勝手な振る舞い、そしてその家族も同じように自分たちのことしか考えていない姿に辟易し、このセリフを吐きます。
そして図らずも介護に直面した二人の女性たちも、同じように苦しみ、疲れていきます。
が、そのクソみたいな姿も「それも人間か」と受け入れていくようになるまでのお話です。
『タイトルはお客様が決める』
というコンセプトなので、スタッフさんに提出する台本にもタイトルは記載されていませんが、実は僕の中ではタイトルを決めていました。まあ、そうじゃないと僕は書けないタイプなので。タイトルってその作品を象徴するものですし、それがないというのは道標がないようなもので、どこに進んでいけばいいのかわからなくなるのです。
で、僕の中で決めていたタイトルは『それも、人間』
よいところも悪いところも、全て含めて人間。
「このヤロウ」と腹がたった時にも
「まあ、それも人間か」
と心の中でつぶやくと許せたりするものです(どうしても許せない時もありますが)
人間ってそんなに完璧なものじゃないですからね。
ただ、ネット社会の今、何か問題が起こった時にすぐ炎上して、その時の他者に求める姿があまりにも完璧なものすぎるんじゃないかと思うことがあります。いやいや、みんなそんなに完璧じゃないだろうと。
間違っていることを間違っていると指摘することは大切なことですが、あまりにも正しいことばかり求めすぎると窮屈な社会になりはしないかと思うし、自分の首を締めることにもなるのではないかと思ったりもします。
このあたり難しいバランスだと思いますが、まあ、「それも人間」というおおらかな気持ちも大切なのではないかなと思ってこの作品を書きました。
40分ぐらいの短い作品ですし、またいつか再演したいなと思っています。
幸田です。
出演者紹介二巡目第七弾はこの人。

僕ですね。
めっちゃ張り切ってる稽古写真ですが……
自分で自分にインタビューするのも変な感じですが、まあ、そういう流れなのでいつものようにやりたいと思います。
■お名前、年齢、出身を教えてください。
→幸田真洋、43歳、11月で44歳になります。演劇歴は16歳の高校一年生の時からだから28年になります。出身は福岡県筑紫野市です。正確には大野城市で生まれて0歳の時にすぐ筑紫野市に来ました。ですので、ほぼ筑紫野生まれ筑紫野育ちと言ってもいいかと思います。筑紫野市は福岡市の南部に位置する
■あ、もういいです。っていうか喋りすぎですね。HBになぜ入ろうと、っていうかなぜHBを作ったんですか?
→もう22年前のことなのであんまり覚えてないですけど……とにかく演劇がしかった、自分で作・演出がしたかった、そのためには劇団という手段しかなかったから、という感じでしょうか。当初は5年くらいで売れるだろうと自信満々だったんですが22年経った今でも売れていません。ははは。
■なぜ福岡でやろうと思ったんですか?20数年前ならなおさら「演劇といえば東京」という感じだったと思いますが。
→当時、高橋徹郎さん(スター高橋ですね)の幻想舞台や後藤香さんのK2T3、広瀬健太郎さんの風三等星が福岡で活動していて、面白かったんですね。なので、僕にとって演劇といえば目の前で上演されているその諸先輩方でした。あの頃は今のようにインターネットで遠く離れた世界に簡単にアクセスできるわけではなかったので、東京のお芝居の情報なんて自分で見に行くか、VHSのビデオテープを買うかくらいしかなかったんです。だから遠くの世界を知らなかったというのが正解かもしれないですね。親は演劇が学べる東京の大学に行けと言っていましたが、僕には目の前の演劇がすべてでまるで響かなかったですね。視野が狭かったんでしょう。ははは。
■っていうかよく喋りますね。福岡で続けてきたことはどう考えていますか?
→まあ、もし若かりし頃の自分に声を掛けることができるなら、間違いなく「東京に行け」と言いますね(笑)
やっぱり若かりし頃に外へ飛び出すのって大事だと思うんですよ。広い世界を知って、最終的に福岡に戻ってきて自分の演劇をやろうというのはいいと思うんですが、全く冒険しないというのもね。
とはいえ、別に今の人生を後悔しているわけではありません。それはそれで僕にとっては必要な生き方だったのかな、という気もするし、売れてはいないですが楽しく芝居はできているし、視野が狭い人が作る芝居があってもいいじゃないかとも思うので。多様性ってそういうことですよね?
■あ、もういいです。次の質問に行きたいと思います。好きな役者とか作品とかあったら教えてください。
→好きな役者も作品もたくさんあります。語りだしたら長くなりますが、
■じゃあもういです。次に行きましょう。稽古がはじまって
→あれ?いいんですか?
■いいです。稽古がはじまって一ヶ月ちょっと、対面での稽古も回数を重ねてきて、どんな感じですか?
→自分の記憶力の衰えを感じます。先週やったことを今週はすっかり忘れている。たった一週間空いたくらいで全然覚えていないので、40代、やばいです(笑)全体的には、やっぱり演劇は顔を突き合わせて、身体動かして作ってナンボだなと思ったりします。うちは大して動きのない会話激なので、リモートでの稽古もじっくりセリフのやり取りだけに集中できるからいいんじゃない?とも思ってはいるんですが、やっぱり舞台っていうのは、ほんのちょっとの視線の向け方や立ち位置、立ち方、身振り手振りをつける、あるいは削る、相手に手を掛ける、掛けない、など少しの変化で見え方が変わってくるんです。どんなにセリフを上手に言えたって、身体の動きを細かく演出できていないとその場面が死んでいるように見える。
そうそう、この前の稽古ではなんだか立ち方に違和感のある役者に小道具を持たせただけで、ぐっと自然に見えるようになった、なんてこともあります。そういうことはリモートでは決してできないし、これこそが演劇だなと感じています。
■相変わらずたくさん喋りますが、演劇的なことは量多めでもいいかと思います。
では、今作の見どころを教えてください。
→相変わらずの地味な会話劇なので、特に派手な事件が起きるわけでも、大きな動きがあるわけでもないんですが、会話の端々に見えるそれぞれの人生を感じていただければ。登場人物は8人なんですが、8人8様の人生、価値観があるので誰かに共感したり、あるいは反発したりがあるんじゃないかと思います。
あと、ギャグを言ったりやったりするわけじゃなく、ただ日常会話をしているだけなのにクスッと笑えるところがいくつとあると思います。人種というと大袈裟ですが、同じ日本人・同じ場所に住んでいる人でもそれぞれ生き方や価値観が微妙に違うわけで、そのズレがおかしみに繋がるわけです。普通のことを話しているのになんだかおかしい、という場面がいくつもあると思うので、そういうところを感じてもらえればと思います。
■では最後に公演に向かって意気込みを一言!
→リモートと対面稽古と両方やっていると、目の前で生身の人間が演じている強さというのを改めて感じています。やっぱり演劇は生でこそ!と思うので、ぜひ、劇場へ。とはいえなかなか来れないという方はぜひ配信で!生でこそとか言ったくせに矛盾してますが、配信は配信でカメラ4台をスイッチングしながら配信でしかお届けできない角度でお見せしたいと思っていますので、皆さま、お待ちしています!
以上、一人二役の幸田でした。
出演者紹介二巡目第七弾はこの人。

僕ですね。
めっちゃ張り切ってる稽古写真ですが……
自分で自分にインタビューするのも変な感じですが、まあ、そういう流れなのでいつものようにやりたいと思います。
■お名前、年齢、出身を教えてください。
→幸田真洋、43歳、11月で44歳になります。演劇歴は16歳の高校一年生の時からだから28年になります。出身は福岡県筑紫野市です。正確には大野城市で生まれて0歳の時にすぐ筑紫野市に来ました。ですので、ほぼ筑紫野生まれ筑紫野育ちと言ってもいいかと思います。筑紫野市は福岡市の南部に位置する
■あ、もういいです。っていうか喋りすぎですね。HBになぜ入ろうと、っていうかなぜHBを作ったんですか?
→もう22年前のことなのであんまり覚えてないですけど……とにかく演劇がしかった、自分で作・演出がしたかった、そのためには劇団という手段しかなかったから、という感じでしょうか。当初は5年くらいで売れるだろうと自信満々だったんですが22年経った今でも売れていません。ははは。
■なぜ福岡でやろうと思ったんですか?20数年前ならなおさら「演劇といえば東京」という感じだったと思いますが。
→当時、高橋徹郎さん(スター高橋ですね)の幻想舞台や後藤香さんのK2T3、広瀬健太郎さんの風三等星が福岡で活動していて、面白かったんですね。なので、僕にとって演劇といえば目の前で上演されているその諸先輩方でした。あの頃は今のようにインターネットで遠く離れた世界に簡単にアクセスできるわけではなかったので、東京のお芝居の情報なんて自分で見に行くか、VHSのビデオテープを買うかくらいしかなかったんです。だから遠くの世界を知らなかったというのが正解かもしれないですね。親は演劇が学べる東京の大学に行けと言っていましたが、僕には目の前の演劇がすべてでまるで響かなかったですね。視野が狭かったんでしょう。ははは。
■っていうかよく喋りますね。福岡で続けてきたことはどう考えていますか?
→まあ、もし若かりし頃の自分に声を掛けることができるなら、間違いなく「東京に行け」と言いますね(笑)
やっぱり若かりし頃に外へ飛び出すのって大事だと思うんですよ。広い世界を知って、最終的に福岡に戻ってきて自分の演劇をやろうというのはいいと思うんですが、全く冒険しないというのもね。
とはいえ、別に今の人生を後悔しているわけではありません。それはそれで僕にとっては必要な生き方だったのかな、という気もするし、売れてはいないですが楽しく芝居はできているし、視野が狭い人が作る芝居があってもいいじゃないかとも思うので。多様性ってそういうことですよね?
■あ、もういいです。次の質問に行きたいと思います。好きな役者とか作品とかあったら教えてください。
→好きな役者も作品もたくさんあります。語りだしたら長くなりますが、
■じゃあもういです。次に行きましょう。稽古がはじまって
→あれ?いいんですか?
■いいです。稽古がはじまって一ヶ月ちょっと、対面での稽古も回数を重ねてきて、どんな感じですか?
→自分の記憶力の衰えを感じます。先週やったことを今週はすっかり忘れている。たった一週間空いたくらいで全然覚えていないので、40代、やばいです(笑)全体的には、やっぱり演劇は顔を突き合わせて、身体動かして作ってナンボだなと思ったりします。うちは大して動きのない会話激なので、リモートでの稽古もじっくりセリフのやり取りだけに集中できるからいいんじゃない?とも思ってはいるんですが、やっぱり舞台っていうのは、ほんのちょっとの視線の向け方や立ち位置、立ち方、身振り手振りをつける、あるいは削る、相手に手を掛ける、掛けない、など少しの変化で見え方が変わってくるんです。どんなにセリフを上手に言えたって、身体の動きを細かく演出できていないとその場面が死んでいるように見える。
そうそう、この前の稽古ではなんだか立ち方に違和感のある役者に小道具を持たせただけで、ぐっと自然に見えるようになった、なんてこともあります。そういうことはリモートでは決してできないし、これこそが演劇だなと感じています。
■相変わらずたくさん喋りますが、演劇的なことは量多めでもいいかと思います。
では、今作の見どころを教えてください。
→相変わらずの地味な会話劇なので、特に派手な事件が起きるわけでも、大きな動きがあるわけでもないんですが、会話の端々に見えるそれぞれの人生を感じていただければ。登場人物は8人なんですが、8人8様の人生、価値観があるので誰かに共感したり、あるいは反発したりがあるんじゃないかと思います。
あと、ギャグを言ったりやったりするわけじゃなく、ただ日常会話をしているだけなのにクスッと笑えるところがいくつとあると思います。人種というと大袈裟ですが、同じ日本人・同じ場所に住んでいる人でもそれぞれ生き方や価値観が微妙に違うわけで、そのズレがおかしみに繋がるわけです。普通のことを話しているのになんだかおかしい、という場面がいくつもあると思うので、そういうところを感じてもらえればと思います。
■では最後に公演に向かって意気込みを一言!
→リモートと対面稽古と両方やっていると、目の前で生身の人間が演じている強さというのを改めて感じています。やっぱり演劇は生でこそ!と思うので、ぜひ、劇場へ。とはいえなかなか来れないという方はぜひ配信で!生でこそとか言ったくせに矛盾してますが、配信は配信でカメラ4台をスイッチングしながら配信でしかお届けできない角度でお見せしたいと思っていますので、皆さま、お待ちしています!
以上、一人二役の幸田でした。