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HallBrothersヒストリー⑧

幸田です。
HallBrothersヒストリー第8弾は社会派を目指していた?頃です。


2008.7月『若者の生態』

ネットカフェ難民や派遣労働者の扱い、DVに薬物などなど…若者の暗い側面を題材にした作品です。
「これが若者の生態と思われたくない」
という感想をいただきましたが、その通りですね(笑)

暗いところばかりを取り上げようとしたので、そういった批判が出るのもごもっともです。しかもやっぱり上手くは書けていなかったですからね。どうもすみませんでした。

でもこのタイトルは嫌いじゃないです。

『男の嫉妬』とか『あの人、賃貸だから』に繋がるそのものズバリな感じがします。

タイトルにしろ、作品の内容にしろ、そのものズバリ過ぎるのはイヤ、もっとメタファー(暗喩)を使って描いてほしい、という方もいらっしゃるでしょうが、僕は逆で、観客として見るなら直接的に描かれたものの方が好きです。

だから若者のことを描いた作品なので若者の生態。いいじゃないですか(笑)

この頃、ちょうどネカフェ難民や派遣労働者の問題を扱った本を大量に読んでいたんですね。

で、僕はすぐに影響されるので、それをそのまま書いたという(笑)こういうところも直接的ですが、これはダメなところで、影響されたものを自分の中で何度も反芻して、それでも書きたいことを書かなければいけません。

そうじゃないと自分の言葉や考えにならない。

そういう観点で言うと全く自分のものになっていないまま芝居を作ってしまったので、よくなかったですね。

大体、この公演を決めたのもたまたま6日連続でぽんプラザホールが空いていたので、じゃ、やろう!と勢いでしたから。計画性がない。
こういうところ、ホントに直さなければいけません…



暴力的なシーンもありました。



やっぱり青なシーンも。

あと、この次の公演『ヘルメット・オン・ザ・ビーチ』が初めてのロングラン公演でしたから、この頃から劇団のことを、たとえばメディアの方なんかに説明する機会が増えたんですね。

「どんな芝居なんですか?」

今でこそ「こういう芝居です」と多少なりとも語れる言葉を持っていますが、当時は難しかった。

僕自身がまだまだ「どんな芝居がしたいか、目指しているのか」がはっきりせず混沌としていたので、適当に「社会派」とか言っていました。ネカフェ難民とか派遣労働とか扱っていましたからね。でも、今思い返すと全然社会派じゃない(笑)

当時の自分に「もっとちゃんと考えろ!」と言ってあげたいですね。

自分がどんな芝居をしていて、どんなものを目指しているのか、自分の言葉で他者にわかりやすく語れることは大事だと思います。

語れないってことは自分がどんなものを作っているのかわかってないってことですからね。

わかってなくてもセンスや才能がある人は作れてしまうかもしれませんが、僕には無理でした。

さて、次です。



2007.2月『それはただのしみだ』

パッと見、何て書いてあるかわからないタイトルですね(笑)読みにくい。

「それは、ただのシミだ」

つまり

「それは、ただ単なるシミですよ」

という意味です。

ベンチャー企業が入居した新築オフィスビルの床にシミがにじんでいる。
若いやり手社長は不動産屋に文句をつけるが、不動産屋には見えない。
社員に同意を求めるが、シミが見える社員と見えない社員がいる。

一体、何のシミなのか?

いや、そもそもシミは本当に存在するのか?

というちょっと不思議なお話です。

この頃、村上春樹さんの小説が大好きでしたから、その影響ですね(笑)



これ、舞台装置にちょっと仕掛けがあって、通常はこんな感じでバックが黒幕なんですが、過去のシーンになると…



こんな感じで町工場が登場するんですねー。
あと、この黒幕、紗幕と呼ばれる幕で照明の当て方で透けるんです。



こんな感じで。

で、開閉もできるので、透けてない時に置き道具をこっそり交換し、次に透けた時or開いた時は違う場面として使ったりしました。



テーブルとイスを置いてファミレスにしたり



居酒屋、



神社とか



色々な使い方ができました。

なにせこの頃はワンシチュエーションで書けなかったものですから(笑)、何とかして様々な場面を作り出すしかなかったわけですね。

結果、ぎゅっと凝縮すればコンパクトに済むものをあの場面もこの場面も書こうとして(というかそういう風にしか書けなくて)、2時間5分くらいの芝居になりました。長い!

2時間なら2時間分の中身が必要ですが、それだけのものはなかったんですよね…

あ、決して中身がないわけではないですよ。

ただ、先ほども言ったように全ての場面を書こうとして、ダラダラと長くなっていた。省略するところと書くべきところをきちんと考えられていれば、1時間30~40分くらいの見やすい時間になったはずなんですよね。そのあたりができていなかった。



シミは罪悪感の象徴で、社会で成り上がっていく時には甘いばかりではいられない、苦味を飲み込まなければいけないこともたくさんあって、その痛みみたいなものを描きたかったんだと思います。

描こうとしたものは悪くないと思うんですが、やっぱりそれをどう見せるか、の書き方のところがマズかったですね。

というわけで、ヒストリー第8弾はここまで。
まだまだ続きます!



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